スースダイ、アサノです。
ここ数日、夕方には決まって特大のスコールがやってくるプノンペンです。
雨期も終わりが近いため、最後の力を振り絞って雨を降らせているようにすら
思える今日この頃です。
そしてSui-Johのテイラーリアップにスコールのごとく、
出し抜けに降り注いだ、結婚の話。
※前回のブログはこちらです。
リアップは日曜日の夕方に戻ってきました。
そして、平静を装い、「ハロ~~~」と話しかけに行きました。
目は腫れ、きっといろいろとあったんだろうな、と予測できました。
そしてなんとおばさんに「明日には帰ってきなさい」と忠告された、
と切り出されました。
僕は驚きと戸惑い、そして怒りに似た寂しさを覚え、
聞いた瞬間“なんでそんな事をサラっと言えるんだ”と思ってしまいました。
そして僕は「リアップにそれで良いんだね?」と聞きました。
すると首を大きく降って、泣き崩れてしまいました。
間違いなく、この状況を受け止めたくないのも、受け止められないのも、
嘆き悲しんでいるのは、本人なのに、僕はひどい質問をしてしまいました。
話を聞くと、おばさんに、
「あなたはもう家に入って、今から家事の勉強をするのよ。
そして少しでも太って良い母親になるのよ。
だからすぐに帰ってきて、家で安静に過ごすのよ」
と言われたそうです。
ただリアップは、
「せめて結婚式直前まで働きたい」と掛け合ったのでした。
しかし、
「あなたは仕事はしなくて良いの。旦那さんもしなくて良いと言っているわ。
すぐ帰ってきなさい。あなたは仕事を取るの?それとも旦那を取るの?
わかっているわよね」
と言われ、何も返せなかったと。
彼女はどうしたいのか、それを僕は確かめたかった。
本当に結婚が嫌なのか。
本当は結婚を受け入れようと言う気持ちが少しでもあるんじゃないのか。
また、僕の心の中では、彼女に対し、ある種の諦めもあったのも確かです。
これが文化や風習なのであれば、僕が深く介入すべきではないのではないか。
今はこの結婚が嫌でも、結婚して時間を重ねれば、愛が芽生えるかもしれない。
幸せになれるかもしれない、と。
その彼女の返答は「本当に結婚がしたくない」でした。
でもおばさんの事、周りの事を考えると、私はどうする事も出来ない、とも言っていました。
僕らは話し合い、そしてひとまず最低でも10月いっぱいは働こう、と言う結論に至りました。
もちろんSui-Johとしても、今すぐに抜けられるのは痛恨の極みです。
今から新しく雇ったとしても、製品作りに入れるのは数ヶ月後の事。
ただ今から1ヶ月あれば、最低限の準儀、対策は出来るとも考えました。
そして、その1ヶ月で思いっきりプノンペンでの思い出を作ろう、と。
(きっと田舎に帰れば、プノンペンに出て来る事も難しくなると思いますし、
ましてや遊びに行ったり、外食したり、自由はきかなくなると思われますし)
リアップも10月いっぱいは働く事に同意し、おばさんに伝えました。
そして了承してもらえました。
ただ翌日、リアップに「元気か~~?」って聞くと、
また瞳に涙をためて、そして首を降るのです。
僕にいったい何ができるのだろう。
守るべき文化、守るべき人、守るべきモノ。
僕はどうすべきなんだろう。
つづく