明けましておめでとうございます!
本年も、ご指導ご鞭撻、よろしくお願い致します。
2013年は、いよいよSui-Johの正式な船出を迎える年となります。
その日を早める為にも、正月休みなんて関係ありません!
と言うよりは、カンボジアの正月は別にあるので、
1月1日は数ある内の、祝日の一つ。
そんな中、新年早々、やはり問題は起こります!
だってここは日本じゃありませんもんね!!!
そして、本日工房に行くと、
ひとつのシャツに問題が発覚しました。
オーダーとは違う襟が付いていたのです。
それにはホリゾンタルと言うタイプの襟を付けるはずでしたが、
(ホリゾンタル襟とはこんなヤツです)
Sui-Joh ~ カンボジア発のシャツブランド ~-ホリゾンタル
レギュラータイプ“みたい”な襟が付いています。
結局、結論から言うと、今回の問題は、
僕が「彼女たちもホリゾンタルを知っていると思い込んでいた。」
と言う事だと思います。
このシャツを担当してくれた子は、ホリゾンタルカラーを知らなかったのです。
なので、彼女はカットされたホリゾンタル用の布を、
天地逆にし、それをどうにかこうにか
きっと彼女なりに考え、苦労しながら縫い付けてくれたのだと思います。
※ホリゾンタル用の襟を、天地逆に台襟に取り付けるのは難儀です。
僕は担当してくれた彼女を呼び、
間違いを指摘し、これを付けるとき違和感はなかったのか、
疑問を抱いたら、そこで作業をストップして確認をして欲しい、
これはNGだから作り直してね、と依頼すると、機嫌がわるかったのか、
あるいは僕のシャツに求める要求が彼女達にはちょっと難しいからのか、
フラストレーションが弾けたように、
「これが逆だなんて、言ってくれなきゃわからないわ!
 なによ、この襟!
 これを付けるのだって一苦労だったし、
 それにあなたの要求は、いつだって難しいのよ!!!頭が痛いわ!」
とマシンガンのように言い放たれてしまいました。
確かに、僕は本来彼女達が作っているシャツより、
例えばスティッチ幅だとか、作る側からすると、
難しいシャツとなっていると思います。
でも、彼女らが、
この難しさを乗り越える事ができれば、
この小さなテーラーは、カンボジアの中でも優秀な、
大きな工場には醸し出せない、
オンリーワンのテーラーになってくれると思います。
そしてカンボジア製自体のクオリティ、イメージアップにも
繋がる事だってあると思います。
また、今後、経済が成長してくなかで、淘汰されないような、
特異性をこのテーラーが持ってくれれば、と思うのです。
しかしそんな想いとは裏腹に、
最終的には「もう嫌だ!」みたいな事も言われてしまいました。
(全てを聞き取れる程、僕はカンボジア語話せません…)
彼女はスタスタと奥にひっこんでしまい、
僕は放心状態の中、
心ここにあらずで、検品。
頭の中では、
「今まで築き上げたものは何だったんだ……」
僕の考えの甘さ、自分の思い込みが招いた出来事でもあり、
あの時、一言付け加えてれば、、、との悔しさで検品どころじゃありません。
数十分した頃でしょうか、
彼女が、襟が間違っているそのシャツと、型紙や布を持って、
僕の前にやってきました。
僕は次は何を言われるのだろう?!と一瞬思ったのだけれど、
彼女は、
「この襟を(ホリゾンタルに)変えると、台襟自体も変えなきゃいけないわ。
 そうなると、この台襟の布も必要ね。だから、ここの布はこれで代用しましょ。
 今から作り直すわ。それで問題ない?
 あと、この型紙に、どっちが上で下かカンボジア語で書いた方がいいわね。
 そうすれば、他の人が作っても間違いが起こらないでしょ。
 難しいけど、がんばるわ。」
と言って、ミシンに向かっていきました。
僕は涙がこぼれないように、目をパチパチしてこらえるのに必死でした。
本当に些細で、小さな事かもしれないけれど、
でもその言葉が本当に嬉しかったです。救われました。
ありがとう。
Sui-Joh、がんばります!!!!!
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