スースダイ、アサノです。
前回のエントリーで紹介致しましたリアップ。
その彼女の人生が、今、動き出そうとしています。
僕は勝手に、彼女はまだまだこれからもSui-Joh
と共に歩んでいってくれる仲間だと思っていましたし、
今でも何の裏付けも無い淡い期待を抱いているのも事実です…。
彼女は諸事情で、家族とは疎遠となっており、
お盆などの祝祭日の際も実家には帰らず、
プノンペンから約3時間の場所にあるコンポンチャム州の
あるおばさんの家に帰省していました。
彼女自身も「物作りをして自立して生きていくんだ!!」
と決意を話してくれていましたし、Sui-Johの作品に対しても
“どうしたい&その為には何が必要か”などを自発的に言ってくれるように
なってきてました。
そして今後、プノンペンに作ろうとしている直営店の店頭にたつべく、
英語学校にも通い、少しずつですが英語での会話もできるようになってきていました。
そんなリアップもお年頃。
28歳。
リアップがお盆から帰ってきてからなんだか様子がおかしい。
妙に神妙な面持ちになったり、考え事をしているような雰囲気だったり、
とにかく”何かがおかしい”のです。
小心者の僕は、問題を知るのが怖いのですが、
恐る恐る話を聞くと、先週のお盆におばさんの家に帰省した際に、
おばさんが気を利かせて、
「あなたももう歳なんだから、結婚しなさい。明日お見合いで、来週は結納よ」
と段取りを全て決めていたのだそうです。
もちろん、お見合いした相手もコンポンチャム州に住む男性で、
リアップもコンポンチャム州に住む必要がでてきます。
これぞ晴天の霹靂と言う状況で、
僕はただただ「?」と動揺で、言葉の意味の理解でいっぱいいっぱいとなってしまいました。
そしてリアップに、「リアップはそれで幸せなんだね?」と聞きました。
リアップはうつむき、
手元にある糸切りばさみを穴が空くんじゃないかってくらい凝視し、
ゆっくりと首を振るのです。
そして遂には大粒の涙と嗚咽を伴い、泣き崩れてしまいました。
私は本当は結婚はしたくないし、これからも一緒にここで作りたい。
でも、私には頼れる人はそのおばさんしかいない。
この結婚の話を断れば、私はどこにも帰る場所がなくなってしまう。
いったい僕は何を言えると言うのだろう。
リアップは今頃、結納をしています。
つづく