スースダイ、アサノです。

いよいよやってきました、最低賃金の決定の季節が。
毎年、この時期になると新聞を賑わす最低賃金の攻防戦を報じるニュース。
そして、決まりました。
2019年は182USDが最低賃金となります。

過去の最低賃金を振り返ってみてみましょう!

2009年→50USD

2010年→61USD
2011年→61USD
2012年→61USD

2013年→80USD

2014年→100USD

2015年→128USD

2016年→140USD

2017年→153USD

2018年→170USD

2008年も最低賃金は50USDだったので、
この10年で3.4倍に賃金が上昇したことになります。

今、縫製業だけではなく、カンボジア人全体の風潮として感じるのが、
明日は今日より良い日になる、と言うパワー。
そのパワーが故か、給与と言うものは勤続していれば毎年上がるのが当たり前、
と考えている人が多いように感じます。
2013年から毎年上がっていっているのが不思議なのか、
あるいは2010〜2012年の3年間が何故賃金上昇が行われなかったのか、
過去のニュースを探して調べてみたいですが、
こうも毎年上昇すると、縫製業界の生き残り、相当大変だと思います。
2010年は未経験者を61USDで雇用し訓練できたのが、今は同じ未経験者でも170USDの給与が必要となるのです。
その反面、例えば日本でのTシャツの販売価格は変わっていない。あるいは安くすらなっている。
この上昇した人件費分を吸収したのは、いったい、、、

もちろん、所得上昇、経済発展となれば良いのですが、そうは問屋が卸さないのが今のカンボジアではないでしょうか。

サイドストーリーとして、どんなことが起こっているのか。
僕が知る限り、下記が起こっています。

・労働者の住む家のオーナーが家賃を上げる。
・労働者向けの屋台飯などの料金も微増する。
・そして仕送りをする家族が、仕送り増加を要望する。

つまり、最低賃金が上がっても、給与を手にする人たちの手元にのこるお金はそれほど変わらないという事態が起こっています。

儲けているのは、地主、家主で、一番ウハウハなのではないでしょうか。
一時期、新聞でも提案されている記事がありましたが、
最低賃金上昇と同時に、家賃の上昇に上限を決めるなどの法整備も必要なのかな、とも思ったりもします。
(その法が遵守されるかはまた問題なのですが・・・)

来年は今年より良い年になって、カンボジアがより良い国となりますように!